詩吟視聴

「舟八島を過ぐ」 正岡 子規
万里吹き来る 破浪の風
往事を追思すれば 已に空と成る
青山一帯 人見えず
唯淡濃烟霧の 籠むる有り

「廬山の瀑布を望む」 李 白
日は香炉を照らして 紫烟を生ず
遥かに看る瀑布の 長川を挂くるを
飛流直下 三千尺 疑うらくは
是れ銀河の 九天より落つるかと

「春暁」 孟 浩然
春眠暁を覚えず
処処 啼鳥を聞く
夜来 風雨の声
花落つること 知んぬ多少ぞ


「名槍日本号」 松口月城
(今様「黒田節」=作者不詳=入り)
美酒元来 吾が好む所  斗杯傾け尽くして 人驚倒
(酒は呑め呑め呑むならば 日の本一のこの槍を 呑み取るほどに呑むならば これぞまことの黒田武士)
古謡一曲 芸城の中 呑み取る名槍 日本号

「寒梅」 新島 襄
庭上の 一寒梅
笑って 風雪を侵して開く
争わず 又力めず
自ずから百花の 魁を占む



「楓橋夜泊」 張 継
月落ち烏啼いて 霜天に満つ
江楓漁火 愁眠に対す
姑蘇城外の 寒山寺
夜半の鐘声 客船に到る

「涼州詞」 王 翰
葡萄の美酒 夜光の杯
飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す
酔うて沙場に臥す 君笑うこと莫かれ
古来征戦 幾人か回る (晩年の収録)

「除夜の作」 高 適
旅館の寒燈 独り眠らず
客心何事ぞ 転た悽然
故郷今夜 千里を思う
霜鬢明朝 又一年


山ねむる 若山 牧水
山ねむる 山のふもとに 
海ねむる かなしき春の 国を旅ゆく

鋭きも 広瀬 淡窓
鋭きも 鈍きも共に 捨てがたし 
錐と槌とに 使ひわけなば

空高く 三浦 義一
空高く 水のやうなる 風さびし
天心に入る 月を仰げり


うつせみの 木野冬部
うつせみの はかなきことも 
君ゆえに 生くる張りあり
命燃やしつ

いのちなき 石川啄木
いのちなき 砂のかなしさよ
さらさらと 握れば指の
あひだより落つ


 
  

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